司法研修所検察教官による出張講義 ─ 任意捜査の限界について考える ─(第2回)

第2回 職務質問〜職務質問における有形力の行使の限度

司法研修所検察教官による出張講義 ─ 任意捜査の限界について考える ─(第2回)
第2回
職務質問
~職務質問における有形力の行使の限度
 司法研修所検察教官/検事
 亦野またの 誠二せいじ
質問

警職法2条警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を停止させて質問することができる。

2(略)

3前2項に規定する者は、刑事訴訟に関する法律の規定によらない限り、身柄を拘束され、又はその意に反して警察署、派出所若しくは駐在所に連行され、若しくは答弁を強要されることはない。

4(略)

 

1
職務質問のための「停止」

警職法2条1項では、警察官は、職務質問のために相手方を停止させることができる旨定められています。しかし、「停止」は、逮捕ではありませんので、あくまで一時的・一過的に、その場にとどめることができるにすぎず、その者を拘束することはできません。

この点に関連して、警職法2条3項は、「刑事訴訟に関する法律の規定によらない限り、身柄を拘束され、又はその意に反して警察署、派出所若しくは駐在所に連行され、若しくは答弁を強要されることはない。」と規定しています。同項は、職務質問が任意処分であり、強制にわたってはならないことを示したものといえます。したがって、職務質問のための「停止」行為については、強制にわたる場合には、違法となることに留意する必要があります。

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