警察官Q&A―元検事の3分解説

第1回 飼い犬が人を噛んでケガをさせたらどうなる?

警察官Q&A―元検事の3分解説
現職警察官の悩み事や、ニュースで話題になっている“ふとした疑問”を、元検事が解説するコーナーです。
第1回 
飼い犬が人を噛んでケガをさせたらどうなる?
飼い犬が人を噛み、けがをさせて、相手から訴えると言われているという相談を受けました。警察官として、どう対応したらいいですか。
質問者
犬に吠えられる人
回答者
民事と刑事の2つの問題があります。民事事件であることを理由に、警察が何も対応しなくてもよいというわけではありませんが、民事紛争における「民事」そのものの解決は、民事上の正当な紛争解決手続によって行われるべきものであるため、警察が民事の絡む紛争の相談を受けた場合には、不当な民事介入とならないように注意しましょう。
①民事関係(民法718条)
 動物の占有者等は、他人に損害を加えた場合に賠償責任があります。
 ただし、その動物の種類・性質に従い、相当の注意をもって管理した場合は責任を負いません。
②刑事関係
〇(重)過失傷害罪(刑法209条/211条後段)
 動物の過去のかみ傷沙汰の有無や、体格、管理状況等で過失の有無や重大性が変わり、責任を問われる場合があります。
〇軽犯罪法違反(同法1条12号)
 人畜に害を加える性癖のあることが明らかな犬等を解放し、又は監守を怠って逃した場合に成立しますが、(重)過失傷害罪が成立する場合には、吸収され、本罪は成立しません。
  相談者への回答例   
  • 安易に過失の有無を言及しない。
  • 刑事責任の例を説明するにとどめる。
  • 警察は飽くまで捜査機関であることを説明するとともに、不安があれば弁護士に相談するように教示し、必要に応じ窓口(法テラス等)を提案する。
  • 万が一、相手方から危害を加えられるような状況があれば、すぐに警察に連絡するように教示する。
本回答は参考情報であり、個別事案の適切な判断を保証するものではありません。警察官の方等実際に職に従事する方は、必ず所属の規程・指導に基づいて行ってください。

 

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