<特集1>暴力行為等処罰に関する法律(下)

暴力行為等処罰に関する法律の概要について(下)

<特集1>暴力行為等処罰に関する法律(下)

本法は、集団的又は常習的で悪質な暴力犯罪に対処するために制定されたものであり、本年で施行から100年という節目の年を迎えました。

現代社会の治安維持に不可欠であり続ける本法について、より一層理解を深め、現場で適切な措置が講じられることを目指し、前号に引き続き特集をお届けいたします。

暴力行為等処罰に関する法律の概要について(下)
〜施行から節目の100年を迎えて〜
法務省大臣官房参事官(刑事担当)
加藤かとう 和輝かずき

INDEX
【前号掲載】
第1 はじめに
第2 本法の適用状況等
第3 逐条解説
1 集団的に又は兇器を示して行う暴行・脅迫・器物損壊罪(第1条)
【本号掲載】
2 持兇器傷害等の罪(第1条の2)
3 常習的に行う傷害・暴行・脅迫・器物損壊罪(第1条の3)
4 集団的・常習的面会強請・強談威迫の罪(第2条)
5 集団的方法による各犯罪の請託(第3条)
第4 おわりに

 

前号では、暴力行為等処罰に関する法律(以下「本法」という。)※1 の制定経緯や本法の適用状況について概観した上で、本法第1条について、同条違反の成否が問題となる設定事例を基にしながら解説をしてきた。

本号では、本法第1条の2以下について、前号同様、解説をしていくこととしたい。


※1
 本法は、カタカナ及び漢数字で表記されているが、本稿中条文を引用するに当たっては、読みやすいようにひらがな及び算用数字で表記するほか、場合によってはふりがなを付すこととする。

 

2 持兇器傷害等の罪(第1条の2)

第1条の2 銃砲若もしくははクロスボウ又は刀剣類を用いて人の身体を傷害したる者は1年以上15年以下の拘禁刑に処す

2 前項の未遂罪は之これを罰す

3 (略)

本条は、昭和39年改正により、刑法の傷害罪の加重類型として設けられた規定であり、銃砲等を用いて人の身体を傷害する行為は、その危険性が大きい上、この種行為が暴力団員により数多く犯されているという実情に鑑み、暴力団犯罪を抑止する目的で設けられたものである。また、令和3年6月に成立した銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律により本条が改正され、兇器に「クロスボウ」が加えられた。

設定事例5
暴力団員である被疑者は、令和8年1月3日、暴力団事務所において、新年会に参加していたところ、Vと口論になり、近くにあった日本刀(刃渡り約80センチメートル)を手に取り、Vに怪我をさせて黙らせてやろうと思い、Vに向かって振り下ろして切りつけ、Vに全治2か月を要する左腕切創の傷害を負わせた。

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