もっと知ってほしい私たちの仕事〜相互の理解と連携に向けて〜(第6回)

民暴弁護士

もっと知ってほしい私たちの仕事〜相互の理解と連携に向けて〜(第6回)

第6回 民暴弁護士

弁護士 齋藤さいとう 理英りえい
 はじめに

    読者の皆さま、はじめまして。
 警察官の皆さまにおかれましては、日々、地域社会の安全と秩序の維持という重要な任務に尽力されていることに、心から敬意を表します。
 警察活動の現場においては、犯罪の捜査や予防といった業務に加えて、地域住民や関係団体、民間専門職との連携が求められる場面も少なくないと思います。他方で、弁護士との連携、と言われても、ピンと来ない方もいらっしゃると思います。
 本稿では、そのような警察官の皆さまに、私の立場である「民暴弁護士」をご理解いただくため、民暴弁護士がどのような存在で、どのような活動を行っており、暴力団や反社会的勢力の撲滅のため、警察官の皆さまとどのような連携を行っているのかについて、経験も交えながらお話しさせていただきたいと思います。
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 私について

    まず、簡単に自己紹介をさせていただきます。私は、1999年に弁護士登録し、弁護士という民間人の立場から、長年にわたり暴力団・反社会的勢力の対策や、排除に関わる活動をさせていただいております。所属する弁護士会の民事介入暴力対策委員会で委員長を務めたり、暴力団を相手とする訴訟で弁護団長を務めたりしたこともあります。

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    また、金融機関や事業会社から依頼を受けて、暴力団との関係遮断の対応や、態勢整備についての相談対応をしたり、近年は暴力団離脱者の社会復帰対策にも取り組むなど、この分野では比較的幅広く活動をさせていただいております。
 このような活動を長く続けられたのも、間違いなく警察官の皆さまのお力添えがあったからこそです。まずは、この場をお借りして、お世話になった皆さまに、お礼を申し上げたいと思います。

 「民暴弁護士」ってどんな弁護士

    弁護士は、皆さまもご存じのとおり、法曹三者の一角を担う職業であり、司法試験と司法修習を経て登録が認められる国家資格です。裁判官や検察官が公務員であるのに対し、弁護士は民間人として活動する点に特徴があります。つまり、法曹のうち、通常は組織に所属することなく、比較的自由に活動することができる在野の存在であり、それゆえ、活動する分野も広範囲かつ多岐にわたります。
 警察官の皆さまとの関係では、検察官と対極する立場で、被疑者・被告人の弁護をする「弁護人」として出会うことが多いと思います。それゆえ、我々弁護士に対して、敵対的な存在という印象を持たれている警察官の方も、少なからずいらっしゃるのではないかと思います。
 そんな弁護士の中で、警察と連携して、暴力団や反社会的勢力と戦うことを専門とする、ちょっと変わった弁護士のことを、組織犯罪対策部門の警察官の皆さまは、親しみを込めて「民暴弁護士」と呼んでくださいます。実際、私たち自身がそう名乗っているわけではないのですが、他の弁護士と区別する呼称として、そのように名付けてくださっているので、本稿では、数多いる弁護士の一つのカテゴリーであり、他の弁護士と区別する呼称として、あえてそのように呼ばせていただきます。
 暴力団や反社会的勢力による資金獲得活動は、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(暴力団対策法)や暴力団排除条例等が大きな成果を上げた副作用として、年々、多様化・巧妙化が進んでいます。近年は、匿名・流動型犯罪グループの台頭などもあり、潜在化・複雑化を極めています。民暴弁護士は、そうした社会的な問題に対し、警察とタッグを組んで、法律家としての知見と社会的責任をもって対応する者たちです。いわば、警察と共闘関係にある弁護士であるとお考えください。
 活動の具体的な概要は追ってご説明いたしますが、まずは、皆さまが日々接することの多い「弁護人」とは、ちょっと性質の違う弁護士だということをご理解いただければと思います。

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