警察官Q&A―元検事の3分解説

第2回 セルフレジでバーコードを貼り替えて商品を取得したら何罪?

警察官Q&A―元検事の3分解説
現職警察官の悩み事や、ニュースで話題になっている“ふとした疑問”を、元検事が解説するコーナーです。
第2回
セルフレジでバーコードを貼り替えて商品を取得したら何罪?
200円のパンのバーコードの上に、10円の駄菓子のバーコードを張り付けてセルフレジに読み取らせて10円でパンを買った場合、何罪になりますか。
質問者
セルフレジでバーコードを貼り替えて商品を取得する人"
回答者

 

電子計算機使用詐欺罪が成立すると考えられます。

 

 質問の場合、払うべき料金を支払わずにパンを奪っているので、万引き同様に窃盗罪(刑法235条)が思いつくのではないでしょうか。
 しかし、曲がりなりにも10円は払ってパンを買っているのですから、店側の意思に反して奪ったとは言い難く、料金をだまして相手方の交付意思の下に領得したと考える方が自然です。
 セルフレジは人ではなく機械なので、詐欺罪ではなく電子計算機使用詐欺罪(刑法246条の2)が成立し、得た財産上の不法の利益は、差額の190円となります。
ワンポイント!
被疑事実の要旨の例
 被疑者は、令和●年●月●日●時頃、東京都○○所在のA店において、駄菓子1点(販売価格10円)に貼り付けられていたバーコードをはがして同店に陳列されていたパン1点(販売価格200円)に張り付けた上、同日△時頃、同店設置のセルフレジを利用し、不正に貼り付けた前記駄菓子1点のバーコードを読み取らせて精算処理を行い、同セルフレジ端末にオンラインで接続されている国内のいずれかに設置された、同店の精算処理等の事務処理に使用する電子計算機であるサーバコンピュータに対し、真実は、販売された商品が前記パン1点であるにもかかわらず、前記駄菓子1点が精算された旨の虚偽の情報を与えて、その頃、同サーバコンピュータに、販売された商品が前記駄菓子1点である旨の財産権の得喪又は変更に係る不実の電磁的記録を作り、よって、前記パン1点との販売価格の差額190円の支払いを免れ、もって同額相当の財産上の不法の利益を得たものである。
本回答は参考情報であり、個別事案の適切な判断を保証するものではありません。警察官の方等実際に職に従事する方は、必ず所属の規程・指導に基づいて行ってください。

 

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