警察官のための公判対策の極意~自信を持って証人出廷に臨むために~(第6回)

証人尋問

警察官のための公判対策の極意~自信を持って証人出廷に臨むために~(第6回)
第6回
証人尋問
弁護士 元東京簡易裁判所判事
元東京地方検察庁検事
 恩田 おんだ つよし
株式会社交通事故調査澁澤事務所代表取締役
元宮城県警察本部交通部交通指導課
元警察庁指定広域技能指導官(交通鑑識)
澁澤しぶさわ 敬造けいぞう
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はじめに
澁澤所長
澁澤所長
 恩田先生、今回もどうぞよろしくお願いいたします。
 前回(本誌5月号38頁以下)は、証人出廷当日の身だしなみと携行品について検討するとともに、実際に証言台に立った際の具体的な諸手続について、ディスカッションをさせていただきました。
 さて、今回は、「証人尋問」における留意事項などについて取り上げていきたいと思います。
恩田先生
恩田先生
 澁澤所長、こちらこそどうぞよろしくお願いいたします。
 証人尋問は、検察官の主尋問から始まります。主尋問は、証言によって事実を立証しようとするために行われるもので、打合せどおりに淡々と行われます。そして、主尋問が終わると、弁護人による反対尋問が始まります。反対尋問は、主尋問で明かされた事実について、検察官の立証を覆すため、あるいは崩すために行われる尋問となります。反対尋問で雲行きが怪しくなると、検察官は、裁判官の許可を得た上で、再主尋問を行って立証の立て直しを行いますし、弁護人も再反対尋問を行います。なお、裁判官が補充的に質問してくることもあります。
澁澤所長
澁澤所長
 証人尋問の流れを丁寧に説明していただき、ありがとうございます。
 このような証人尋問ですが、出廷した証人が留意しておくべき事項として、以下の点が挙げられるかと思います。
① 質問に対する結論を簡潔に証言する
② 一問一答形式で証言する
③ 身振り手振りではなく言葉で証言する
④ 推測や意見ではなく事実を証言する
⑤ 質問に対して質問をしてはいけない
⑥ 許可なく書面や図面を見てはいけない
 そこで、①から順番に検討していきたいと思います。
2
質問に対する結論を簡潔に証言する(①)
澁澤所長
澁澤所長
 まず、質問に対して、結論を簡潔に証言することが求められます。これは、一見すると簡単そうですが、実はとても難しいことだと思います。特に反対尋問では、ついつい知っている知識や関連する補足事項を述べたくなってしまうので、ここはグッと我慢ですね……。
恩田先生
恩田先生
 そうですね。質問されたことに対して、結論だけを簡潔に証言するというのが基本になります。その上で、結論に対する理由が必要とされるときは、別の質問で理由を尋ねられますから、読者の皆さんも、まずは質問の趣旨をよく理解して、その質問に対する結論をしっかりと答えることに集中しましょう。
 ちなみに、これは尋問者側の問題ですが、「長い問い」もダメです。長い問いというのは、それだけで質問の趣旨が分かりづらくなりますし、長い問いの中にいくつもの短い質問が詰め込まれると、混乱しやすくもなるからです。

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